自費出版してみる

どうせ書くからには、いい本を書きたい。いい本とは何か。どのようなテ ーマで書けば いいのか。誰もが、本になるテ ーマを持っているはずである。それは具体的に、プロの作家にならなくても、1冊は自著を持ちたいものである。一般の人の場合は、プロとは違う。いい本といっても、いろいろあるのだ。 とりあえずのいい本とは、自分に対してのいい本だ。自分が自分の書いた本を読んで感 ドルは高くない。これが、いい本を書くための第 激する。何度読んでも、しみじみいいと思う。このような自己満足の本を書くには、第1のハードルだ。 せっかく本を書くからには、当然他人にも読んでもらいたい。自分の思いや経験や知識を、 れば、それは幸せなことだ。他人にとってもいい本となれば、もちろんハードルが高くなる。 他人にも知ってもらいたい。本を書くからには、他人に読んでもらって、共感してもらえ 他人と言ってもいろいろある。近い他人と遠い他人だ。近い他人とは身内のこと。 いいと思われる本を書くハードルはまだ低い。これが、いい本を書くために、返ってそういった部分で共感を得られる。特定の価値観や情報を共有する身内だけに、 それはど愛矯の範囲で許してもらえる。文章が稚拙でも、表現が分かりにくくても、理屈が通らなくても、 者や親族、親戚の人たちなど、自分のことをよく知っている人たちが読者であれば、いい本だと評価される可能性はある。これが、第2のハードルである。身内に評価されるだけでは物足りない。遠い他人、すなわち赤の他人にもいい本だと評価されたい。そうなるとハードルは一段と高くなる。一部の赤の他人から評価されるなら、まだ行ける。しかし、対象分野を絞り込んだ本なら、その分野に興味がある人たちから評価される必要がある。これが第3のハードルである。 素人作家の目指すところとしては、概ねここまでかもしれない。一般不特定の大衆に受 と重なり、これがいい本を書くための第 ける本となれば、いわゆるベストセラーの域に入ってゆく。まさにプロ作家の目指す領域 4のハードルだ。 自費出版の本がベストセラーになることはもちろんあるが、その可能性はそう簡単ではなかった。「これをきっかけにプロの作家を目指す!」と思う人も多い。わたしも、そう思いながら自費出版を試みた。 しかし、ハードルは行く手を阻む。誰にとっていい本なのか、誰のための本なのか、素人作家は考えるべきである。