本のテーマ

身につけた特殊性を披露する 人生の出来事を書くのは最も一般的だが、本のテーマはもちろんこれだけではない。これらとて人生と関わるものだが、人生とは切り離した生活の過程で身につけた、ノウハウ、知識、技能、技術、理論、思想などを、自著で披露する。 自分や身内より、赤の他人である一般不特定多数が対象読者となる。第 3、第4のハードルだ。 一般不特定多数といっても、万人の興味を喚起するようなテーマ設定は容易でない。多 くの人々の関わる人生観や世界観を揺るがすような、大テーマを持つ書き手はそういない。 より普遍的、一般的なテーマとなれば、携わるプロも多く、その一角に食い込むのは至難 の技だ。第4のハードル狙いのテーマは、自費出版に馴染みにくく、無理に出版しても、 多くの読者を惹きつけるには無理がある。第1ハードルのみクリアの、自己満足本に終わ る場合が多いだろう。 特定の読者に、狭い範囲の深い情報やノウハウなどを提供する、第3ハードル狙いこそ、 富士の裾野を遥かに超えて広がり、膨大なる多様、多彩性を持っている。 自費出版の主流となる。いわゆるマニアックな世界を対象とする本だ。

インターネットは、この分野の出版の前に立ちはだかる。変幻自在に情報を操る。かたや書籍は、印刷されれば永遠に凍結された静止情報となる。でも書籍は、 に取って触れる本が果たす機能は小さくない。膨大なウェブ情報に包まれた人たちには、常に不安が付きまとう。不安を癒す拠り所を、手 狭くて不安定な社会を貫く基本台帳あるいは辞書的な役割を果たす。生まれては消える第 3のハードルを狙い、身に付けた特殊性 をテーマとする本は、自費出版本を大きく羽ばたかせるフィールドである。